milter mamangerの開発版である1.1.1がリリースされました。
アナウンスメールにもある通り、1.1.1に大きな問題がない場合は1.1.1相当のコードが時期安定版1.2.0としてリリースされます。
ここでは、1.1.1の目玉の1つである統計グラフについて紹介します。
milter-manager-log-analyzerが生成するグラフが改良されました。これまではmilter-managerが停止したmilterとmilter全体の適用結果(rejectやtemporary failureなど)を示したグラフは別々のグラフとして生成していましたが、このリリースから1つのグラフにまとめて生成するようになりました。このため、全体としてどのくらいのメールを拒否したかなどが視覚的にわかりやすくなりました。
milterベースの迷惑メール対策システムでは、異なる機能のmilterを組み合わせて組織にあわせた迷惑メール対策を実現します。milter-managerはMTAとmilterの間に入って動作するため、それぞれのmilterがMTAに返す情報を利用することができます。
このリリースから、milter-managerはmilterが追加したヘッダを統計情報として出力するようになりました。多くのmilterはヘッダに適用結果をラベル付けするので、milterにより追加されたヘッダを見ることによりどのような手法が利用されたかを知ることができます。
milter-manager-log-analyzerは追加されたヘッダを解析し、Greylistingをパスした、URIBLにマッチした、SPFにパスした・失敗したなどをグラフとして生成するようになりました。どのような手法がどのような結果になっているかの統計情報を確認することができて便利です。例えば、現時点では送信ドメイン認証に失敗するメールも多いということもわかります。
なお、上記2種類のグラフはmilter全体だけではなく、個々のmilterだけのものも出力されます。個々のmilterの導入結果を確認する場合に便利です。
これはmilter-greylistの適用結果を示したグラフですが、2割程度はmilter-greylistの適用自体を中止しています。これは、submissionポートからSMTP Authをして送信したメールとS25Rにマッチしなかったメールが2割程度あるということです。0.5割程度はGreylistingを抜けているということもわかります。
これまでのグラフは1日のグラフですが、1週間、1ヶ月、1年単位のグラフも生成します。より長い期間でのグラフを見ることでメールシステムの変化を見ることができます。
milter manager 1.1.1がリリースされました。大きな問題がない場合、1.1.1とほとんど同じものが次期安定版1.2.0としてリリースされる予定です。
ここでは、1.1.1の目玉のうち改良された統計グラフについて紹介しました。 他にも適用条件が書きやすくなっていたり複数インタンスがサポートされていたりします。
今回のリリースでも、メーリングリストでフィードバックをしてくれたとなかさんやsgykさんをはじめ、たくさんの方に協力してもらいました。ありがとうございます。