milter manager 1.0.0リリース

milter manager初の安定版1.0.0をリリースしました。

milter managerとは

迷惑メール対策ポリシーは組織によって異なります。milter managerはmilterと呼ばれるメールフィルタプラグインを柔軟にかつ簡単に利用する仕組みを提供することにより、それぞれの組織にマッチした迷惑メール対策システムを構築するフリーソフトウェアです。

milter managerは柔軟さと簡単さを実現するためにRubyインタプリタを内臓しています。これにより、実行時に動的に判断をすることができ、メール1通ずつそれぞれ対して適切な処理を適用できるようになります。また、起動時にシステムにインストールされているmilterを自動検出することもできるようになるため、インストールしただけの特別な設定をしていない状態でも適切な初期値が設定されます。このように、Rubyインタプリタを内蔵することにより、柔軟さと簡単さを提供し、効果的な迷惑メール対策システムを低コストで構築できるようになっています。

milter managerを用いた迷惑メール対策システムの概要については以下のドキュメントを参照してください。

1.0.0への歩み

milter managerは2008年9月より独立行政法人情報処理推進機構(IPA)平成20年度オープンソフトウェア利用促進事業「迷惑メール対策を柔軟に実現するためのmilterの開発」で開発がスタートし、2009年1月に初のベータ版0.7.0がリリースされました。それから1ヶ月毎に0.1ずつバージョンをあげながら改良を続け、3ヶ月後の今、初の安定版リリースにいたりました。

0.7.0リリース時に、milterと迷惑メール対策に関心が高いと思われるPostfixとSpamAssasinのメーリングリストでアナウンスしました。アナウンスは日本語のメーリングリストと英語のメーリングリストの両方で行ったのですが、どちらからも興味を持ってくれた方々からフィードバックをもらうことができました。日本で興味を持ってくれた方々からは、こんなことができればよさそう、というようなアイディアをもらうことが多く、海外で興味を持ってくれた方々からは、使ってみたよ、こうしたい時はどう使えばいいの?、というような質問をもらうことが多かったです。

フィードバックのいくつかは1.0.0に含まれています。1.0.0では安定して動くことを目標としていたため、大きめの変更は1.0.0では見送っています。1.0.0で見送られたフィードバックはこれからの開発で反映していきたいと思います。

インストール

前置きが長くなりましたが、インストール方法の紹介です。

UbuntuとCentOS用にmilter managerのパッケージが用意されているので、それらの環境ではこれらのパッケージを利用してください。

それ以外の環境ではソースコードをダウンロードしてビルドしてください。

FreeBSD向けのインストールドキュメントを用意しています。FreeBSD上でmilter managerを利用する場合はこのドキュメントを参考にしてください。

問い合わせ先

milter managerのリリースアナウンスやmilter manager利用者の情報交換の場としてメーリングリストがあります。インストールや設定でつまづいた、バグを見つけた、よいアイディアを思いついた、milter managerを拡張してみた、などといった場合はこのメーリングリストを利用してください。

商用利用などでサポートサービスが必要な場合のために、クリアコードのmilter managerサポートサービスがあります。有償で導入支援や技術支援などのサービスを提供しています。